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脱毛器が同じでも、顧客満足度に大きな差がサロンごとに生まれる理由
脱毛器のエネルギーに、しっかりと幅があり微細な設定ができるような仕様になっていれば、あとはそれを管理できる設備と人材があるかどうかです。設備や人材というと何か大がかりなものを想像してしまいますが、脱毛器の波長・フルエンス・パルス幅を測る機器が店舗にあり、それを使いこなせるプロフェッショナルがサロンに在籍しているかどうかという点です。
そしてこの環境が揃っている脱毛サロンは、私の経験上かなり少ないということができるでしょう。
目次
脱毛業界に教育システムが必要な理由について
まずはもっとも初歩的な部分から伝えると、施術者の脱毛器の打ち方で効果が大きく変わることもあります。例えば同じ髭でも鼻下や顎先の髭は他の体毛に比べて逆立っているといえますし、これはVIOのVの根本の毛にも同じような性質です。こういった逆立った毛に関しては、脱毛器の光が投影しにくいため脱毛効果は出にくいといわれています。しかしこのような場合は、体毛を横に引っ張って寝かせて施術をすれば他の体毛と変わらないように効果を出せることができます。またメンズはIゾーンに睾丸がありますが、睾丸の肌は縮こまることが特徴なので、毛穴は埋もれて隠れていることが通常です。このケースにも施術上の対策はあります。それは皮膚の部分を人差し指と親指で伸ばして施術を行うことです。もちろんこういった技術は一度見てすぐにできるものではありませんから、スタッフの技能が熟練するまで、当店では施術中にわたり細かく指導をしております。
もちろんこれらピックアップしたのは一部分ですから、全身の部位においては肌質・毛質・骨の形などに応じて光の当て方をそれぞれ変えていかなければなりません。腕や脚など角度がつき面が狭い部位はたくさんありますが、これにより当て漏れを起こす施術者はたくさんいるのです。そして当て漏れを起こす部位は、同じ担当であれば繰り返されることが多いですから、その部分だけが脱毛できていない・毛が減っていないということはよくあることなのです。
脱毛業界にはあまり「教育」というキーワードが密接にないように思います。フェイシャル・ボディ技術は指導者が生徒を自立するまで支援できる仕組みやマニュアルは存在しますが、実際に同業者でも特に事業に熱心な数%のサロンが力を入れているくらいで、ほとんどのサロンはメーカーの脱毛器導入講習を1日受けて終了。という流れだと思います。
脱毛の仕組みを理解することが、脱毛士のスタートラインです
脱毛の施術者にもっとも求められる知識は「脱毛の仕組み」です。これはコラムでも何度かお伝えしておりますが、脱毛器で光を当てると毛包部のメラニン色素が熱くなります。これはフィルターを使って肌を避けて体毛のみに反応する光なので、肌表面が熱を必要以上に帯び火傷をするようなことはありません。光を当てられた毛は、瞬間的にではなく施術後10日から2週間が経つとポロッと取れます。そしてこのように抜ける毛は、成長期の時期の毛穴にある体毛です。毛には毛周期というものがあり、成長期・休止期・退行期に分かれています。成長期とはその名の通り、毛包にある毛乳頭が育まれる時期で、ここに光の対象となるメラニン色素も存在しています。つまり脱毛の施術者は、一時的には脱毛を行いたい箇所の成長期の毛に向けて効果を目指す必要があるということです。
「1回ですべての毛に脱毛効果があります」という触れ込みは上記の知識を把握していないということになるので、通う大体の回数・頻度などを適切にアドバイスすることはできないサロンだということになります。
また冒頭に出た脱毛器の波長・フルエンス・パルス幅ですが、これらは脱毛の対象となる毛の質それぞれにエネルギーを調整する必要があります。光の出力をメーカーが設定する漠然としたものだけに指標を頼るサロンもまた、脱毛効果が出にくい典型的な特徴であるといえるでしょう。
今回のまとめ
脱毛器の波長・フルエンス・パルス幅は、専用の測定器を使うことでこの指標をしっかりと管理することができます。脱毛器は使用する度にこの数字にズレが生じることから、定期的に管理をするサロン・そうでないサロンで同じ脱毛器を使っていてもお客様満足度は大きく変わることになるのです。